【感想】たったひとつの冴えたやりかた(ハヤカワ文庫SF)を読む!
たったひとつの冴えたやりかた/ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア (著), 浅倉 久志 (翻訳)ハヤカワ文庫SF
あらすじ
未知の星空の世界に憧れた少女、コーティー・キャスは未知の生物と出会う。友情を深め合うふたつの生物は大きな決断を迫られる――。
感想
有名なタイトルということなので、使命感に駆られて読みました。とてもよかったです。電車の中で思わず涙ぐんでしまいました。
この中で最も素晴らしいのが表題作「たったひとつの冴えたやりかた」。
無鉄砲な少女と臆病で未熟な見えない友達。ふたりの友情模様が心に響きます。ある意味ではありきたりなラストではあるのだけれど、そんなラストだからこそ「たったひとつの冴えたやりかた」という言葉がキラリと光り、涙を流さずにはいられなくなるのでしょう。
しかし、この感動の他にもふたつの生物が織り成す友情を切迫する危機の恐ろしさもこの作品の面白さの一つでもあります。実際あったら普通にこえーよ。そんな身震いしてしまう恐怖。これも必見です。
この表題作の素晴らしさに気圧されていることは否定できませんが、他2篇もなかなか面白かったです。
第3話の「衝突」ではただただムルヌーが可愛らしかった……。なんなんだあの生き物は!ムルヌー見たさに、何回か読み直しました。たまらない。トーキーボックス、ヒューマンとエイリアンの言葉のやり取りはもう悶えるしかなかった。
言葉の壁を超える。
これは現実にも体験しうる感動のひとつでもあります。
さまざまな感動と危機的恐怖が織り交ぜられた一冊。読んでよかった!
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