アナログで描いた絵画作品の撮影について考える
アナログで絵を描いたのち、困るのはどう撮影するかということ。
ここ10年くらいでSNSが急速に発達し、個人でもアートを発信できる場が増えました。
だからこそ絵画作品をデータ化することは絵描きにとって大きなテーマの一つと言えるでしょう。
壁に立てかけたり、床に置いたり、色々な撮影方法があります。
本格的にやっている方は照明機材やカメラにもこだわっていたり…
スキャナを使ってデータ化する人も多いでしょう。
最近はコンビニのスキャナが便利で、自宅に置かずとも手軽にスキャンすることが可能です。
せっかくですからより効果的な作品撮影をしていきたい。
そういう時には「背景」が鍵を握っていると思っています。
描き上げた絵《2020年の孤独相と群生相》 |
つい先日描き上げた絵です。
11月の終わりくらいから着手して、3週間くらいでしょうか。
こちらは45×60センチくらいの段ボールに描いています。
大きな絵が描きたいなと思っていたときに
ちょうどいい段ボールが家にあったので使ってみようと思い立ち、
無事完成まで至りました。
個人的な好みの話なのですが
紙がふにゃふにゃになるのが好きで水張りせずに描くことか多いです。
ただ、ふにゃふにゃになっている紙は余計に撮影が難しいのです。
自分自身としては紙はふにゃふにゃにしたいけど、
撮影を考えるとできる限りそうしないようにする工夫が必要!という葛藤の中でアナログ絵を描き始めることが多々あります。
段ボールはある程度厚さがありますし、
絵の具を塗ってもそこまで丸まらないので楽かなと思ったのも
<ちょうど良さ>を感じた要因だったのです。
しかし…
思ったよりも段ボールが薄くてかなり丸まってしまったのです!
(最初にジェッソで下塗りしたことも原因かもしれないです)
うわ〜〜これどうやって撮影しようかな〜〜!!
レタッチでなんとかなるかな〜〜涙
と、描きながら頭をよぎっていました…
でも同時に思ったんです。
絵だけをトリミングする必要性ってある?
長く絵を見せるのだから絵だけを切り取らないといけないと思っていました。
その理由としては
- 絵以外の情報は興味がない
- 背景を見せたくない(プライベートな空間で撮影をしているため)
- ポストカードなどにする際は背景が邪魔
こういったことがありました。
3に関してはおそらく絵単体を欲しいと思っている方が多いでしょうから、
トリミングした方がいいのかもしれません。
ただ、1に関しては自分自身のよく見ている写真を思い起こすと
・ドローイングノートを部屋の様子と一緒に写しているもの
・絵と絵が重なっているもの
・額と壁が一緒に写っているもの
など、絵単体ではなくなんらかの他の情報があることもかなりあるんですよね。
アナログの絵は絵の具の筆筋や盛り上がりといった質感も含めて楽しめます。
どんな状況で見るのか、
どの角度から見るのか…といった鑑賞者の視点によって感じ方がかわるのもひとつの魅力です。
そのため、アナログ絵で画面のみをトリミングすると質感を感じにくくなったりすることが多いんですよね。
背景は邪魔なものでは決してないわけです。
2については、
そもそもプライベート空間で撮ろうとすることがいけないわけで。
見せても大丈夫な背景であれば、
アーティストの心のロックは外れると思うのです。
というわけで、
ロケをしてきました。
明るい色の絵なので反対に暗いところの方が映えるかなと思い、
夜を待って公園にいって撮影。
iPhone11のナイトモードで撮っています。
滑り台の上で。
木の幹を背景に。
こちらはナイトモードをオフにして撮影しました。
これだけ差が出るんですね。
背景も含めて作品を考えると、
より奥行きがでて面白いと感じました。
これが例えば昼の草むらの上であるとか、
浜辺であるとか…
シチュエーションは他にもおもいつきます。
背景に合わせて作品は全く違う表情を見せてくれそう。
今後も作品の魅力を高める撮影方法を試していこうと思います。
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿
アカウントがない方は「名前/URL」を選択してください。※URL記入は必須ではありません。