【感想】ジュール・ベルヌ『二年間の休暇』を読む!
ジュール・ベルヌ原作の冒険譚『二年間の休暇』読み終わりました。
日本でよく知られているのは『十五少年漂流記』というタイトルになります。
わたしは小学生ごろこういった外国小説を毛嫌いしていたので読む機会を逃していました。
ううん、小学生のときの自分が憎い!つまり、とても面白かったのです。
児童文学コーナーにあった平易な文章のものを読んだのですが、頁数が500頁越えしていたため少し時間がかかりました。
ジュール・ベルヌはフランスの小説家です。他に『海底二万マイル』等の作品も。
『タイムマシン』のH・G・ウェルズと並んでSFの父と称された人物でもあります。
この『二年間の休暇』、かの有名な『ロビンソン・クルーソー』に類する漂流譚であります。
物語は十五人の歳さまざまな少年達と黒人の見習い水夫のみが乗る船が激しい嵐に飲まれるシーンから始まります。
彼らは英国の学校の生徒で、ひょんなことから子どもだけで海に漂流することになってしまったのです。
主人公・ブリアンと見習い水夫のモコの機転によって十五人は一人もかけることなく無事陸地に辿りつくのですが……
さあ、そこはなんと無人島だったのでした。
ここから先はみなさんの御想像通り少年たちには様々な困難が待ちうけています。そしてそのひとつひとつを彼らは明晰な頭脳と勇敢さでくぐりぬけていくのです。
いろいろとご都合主義のところがあることは否めませんが、でも、それでも面白かった。きっと小さい頃にこういうお話を読んでいたらわたしはいつ遭難しても大丈夫なようにと備えを怠らない子に育ったんだろうな、と後悔です。
ここには子どもが憧れる「サバイバルな生活」が描かれているのは勿論なのですが、他にも少年達それぞれの母国に対する想いが非常に強く映し出されています。
主人公・ブリアンは皆を等しく愛するフランス人
冷静沈着なゴードン、小さな「植民地」を統べることにささいな幸せを抱きます。
気位の高いイギリス人たちは古い「風習」に縛られながら生活を送ります……。
非常にブラックな切り口ではありますが、なかなかそれぞれの民族性というものが明確に打ちだされている点は非常に興味深く読みました。
さて、物語の結びは?というところまで話してしまうと少し突っ込みすぎなので是非みなさん読んでみてはいかがでしょうか。
子どものころのドキドキ、それが味わえるお話であると思います。
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