【お話】構想1「TOKIE」について
ずっと前から考えているお話の構想です。
タイトルは「TOKIE」
文字表記をテーマにしたお話です。
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Kanojo wa Shigemi no naka ni yokotawatteita. Sore wo mituketa TAKASHIMA SOUHEI wa isosio to tikayotta. Hoho wo sawattemiru to sore wa totemo nameraka de atta. SOUHEI ha dokiri to suru. SOUHEI wa mune no takanari wo osae tutu, Kanojo no Karada ni Te wo nobasu.
Mune wa ugoiteiru you datta. Toku, toku to SOUHEI no Te ni Shindou ga tutawatta. SOUHEI wa Me wo hosometa. Kare no Me ni utsutta Kanojo wa itsu made mo ugoki sou mo nai, shiduka na tatazumai wo tataeteita.
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熱が、そこにあるような気がした。ずっと忘れていたもの。それがすぐ近くにあるような気がした。頬をなぜられ、胸はそっと高鳴る。わたしは今、どこにいるのだろう。ずっと眠っていた。長い長い眠りだったような気がする。さあ、目を開けねば。背筋を伸ばして、くっと姿勢を正し、地に足をつけて。歩きたい、どこかへ。走り出したい、そんな欲求が心を満たす。ああ、世界はなんて眩しいんだろう。
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Kajono ga Me wo samashita!
Nan to iu koto da rou. Kouhun ga osamaranai. Boku no YUME wa Kanojo ni kakatteiru. Dare ni mo watashite wa naranai. Boku wa nani ga atta to shite mo Kanojo wo mamoru. sore wo hutatabi Kesshin shita. Mou 2do to kon na miss ha okasanai.
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「ああ、目覚めたのですね」
男が泣きそうな顔をしている。
「だれ、ですか」
緊迫した空気。私と男は見つめ合う。
「申し遅れました。わたしは、タカハラソウヘイと申します」
タカハラソウヘイ。きいたことのない名前だった。目の前にある顔も知らない。見たことがない。
訝しんで、男を見る。男は微笑む。それでもやっぱり泣きそうに見えた。よくよく周りを見ていると雨が降っていた。しとしと、少し肌寒い。
「あっ……」
思わず声が出る。わたしはなんて恰好をしているんだ。薄い、白いワンピース。それは雨でぐっしょりと濡れていた。肌が透けている。顔が熱くなるのを感じる。
「――な、なにが、目的ですかっ」
急いで胸元を腕で隠す。身をよじって、男に背を向ける。
「あなたを――」
男の声にびくりとする。肌の温度が一層冷たくなる。水を吸った布はこうも冷たいのか。目を強くつむると視界はここではなくなる。冷たいところだ。誰もいないところである。わたしはさっき、あそこ、で何をしていたのだろう。あんな恰好で。どうしてだろう。あそこではないところで考える。冷たい、水の滴りに寄り添う。冷たい。とても冷たい。
いや、冷たくない。
乾いたものが、わたしを覆っていた。肩に触れるとそこには、なかったもの、があった。恐る恐る後ろを見ると少し離れて私と目線を同じくしている。しゃがんだ彼は、やっぱり今にも涙を落としそうだった。それなのに、それは微笑んでいる。
「わたしは、あなたを迎えにきたのですよ」
男は言う。
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Kanojo wa obieteita. shikata no nai koto da.
Nurete shimatte iru tame, samu sou da. Hayaku Kiti ni modotte atatakai Kakkou ni kigae sase nakute wa. Huro ni ireru no ga saki ka. Taion ga kanari sagatteiru. Shinpai da.
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構想として、こんな感じでもしローマ字が公用表記文字とされていたらなお話かきたいとずっと思ってる。
ローマ字の分かち書きはもう少し体系化していかないとなかなか説得力出ないね。
書いていて思ったのはやっぱりローマ字を公用語にしたとしてもあんまり長続きしなかったろうな、ということ。おそらくこうやってアルファベットで文字化していくとなると、文法自体英語に寄っていっってしまった可能性があると思う。意味が捉えにくいからS+Vを基本とした文法に変化したんではないだろうか。
カタカナとひらがなもローマ字も表音文字であることはかわないけれど、ローマ字はかたかな等よりも一歩進んで音を詳細に表記するので、そういう意味でもなかなか公用表記文字になるのは難しかったでしょう。
長音(ルアーみたいに伸ばす音のこと)をどう表記するのかも定まらない上に、その長音が各々違った発音をしている可能性がある。
ひとつは長音を表記しない方法
ふたつめは長音記号を定める方法
みっつめは発音に沿って表記する方法
この三通り、ローマ字表記で長音を表記する方法は考えられますが、どれも弊害が出てきます。
(1はそれを伸ばすのかどうかはっきりわからない 2は現代だとPCでの入力問題、歴史を重ねていけばおそかく解決されていたかと思いますが。あと、そもそも他の記号との混同が起こりかねない、これも歴史を重ねていれば上手く避ける表記になっていったかもしれないけど 3は共通語として通用しにくくなる問題 これはそれぞれの語に正確な表記があることを規定すれば良い話なのですが、これだとローマ字の表音性をコロスことになって残念な事態)
こんなことでもいろいろ考えなくてはならないのでなかなかローマ字という詳細に音を記録してしまう表記は難しいものです。
しかし、もし本当にローマ字が公用化されていたらとかんがえるとワクワクします。
もしそうなっていたら、先に述べた通り日本語はアルファベット表記に適した書きかたに変化していたのではないかというのが私論ですが、これを読者を想定して小説にするのはなかなか難しいですね。(独自言語になるので読めない、解読を必須にしてしまう)
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの「たったひとつの冴えたやり方」の一篇に「衝突」という話があるんだけど、この独自言語を小説にするという意味で衝撃的な作品だった。
あとは「アルジャーノンに花束を」だろうか。
言語というものを考えるうえで、こういう言語自体の構造を考えるのも方法の一つだと思うんだけど、やっぱり読者を想定するとなかなか難しいね。
でも、こういうのは読者を信じて書いていくしかないんだろうなあ。
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